002937
G・SNK小説用掲示板
G・SNKのリレー小説用の掲示板です。小説であれば自由に投稿してください。
[トップに戻る] [留意事項] [ワード検索] [携帯に掲示板アドレスを送信] [管理用]
お名前
Eメール
タイトル
メッセージ
参照先
暗証キー (英数字で8文字以内)
投稿キー (投稿時 を入力してください)
文字色

設定を 投稿者:ぴヴぃ 投稿日:2013/12/18(Wed) 19:31 No.130  
小説のところに載せました。
メニューの一番下です。
よろしく。


第3.2話 投稿者:うじてる 投稿日:2013/12/18(Wed) 18:21 No.129  
第3.2話(3月10日A)

「お、カズヱさんか……」
仁王像のようなコワモテで大柄な女性が奥から現れた。
カズヱさんというのは林三姉妹の次女である。
三姉妹と言っても、実の姉妹ではない。
厳密には旦那の方が三兄弟のため、義理の三姉妹ということになる。
基本的にアパートは長女のタカエが管理しているのだが、
不在の折は代わりにカズヱが自家菜園の世話などをしながら番をしている。
「…………」
カズヱが凛のことを見る。
「ああ、彼女は今日から104号室に住むことになってる水沢凛さんです」
「…………」
「あ、タカエさんから聞いてました? 鍵を預かってるんですね」
「…………」
「アノー、実はですね、ちょっと面倒なことが起こってまして……」
ここで凛がちょいちょいと田口の脇を突いた。
「何?」
凛は小声で田口に訊く。
「何?……じゃなくて、あの人さっきから黙ったままですけど……」
「ああ、カズヱさんのことか。そうね、まあ慣れないとちょっと難しいかも」
「あれ、ちゃんと喋ってるんですか!?」
「そうだよ」
「慣れとかそういう問題じゃないと思うんですけど!?」
彼女は釈然としないのであるが、子供の時から知っている田口にとってはもはや日常だ。
「そのうち分かるようになるから……。で、ちょっと来てもらってもいいですかね?」
カズヱを外に促して、例の惨状を見せる。

ズバーーン!

勢いよく『佐藤』のプレートが張られた扉が開く。
一通り状況を見た後、カズヱは佐藤くんの部屋に乗り込んでいったのだ。
ズカズカと部屋を通り、片手でらもの首根っこを掴んで持ち上げる。
目の錯覚か、190pのらもが1メートルぐらいに縮んで見える。
「…………」
顔を近づけて睨みつけている。
「ちょ、ちょっとカズヱっち〜。勘弁してくれYO〜!?」
「…………」
「ええ〜! オレっちが一人で直すなんて無理だZE〜!」
「…………」
「そうだそうだ! お前がやれって!」
ここぞとばかりに佐藤くんも野次を飛ばす。
「ホント仕方ない子だよね〜。らもちゃんは〜!」
「ねえねえおばちゃ〜ん、あたしおなかすいたよ〜!」
外野の二人も(一人は当事者のはずだが)やんややんやと囃す。
「…………」
「わ、わかったYO〜。オレっちがやってやんZE!!」

その後、しばらくはらもがあーだこーだとアパートを直していたが、
佐藤君らに手伝ってもらい屋根を直すにとどまった。
完全に復旧されるのは4月を待たねばならないのである。

つづく

【林高江】
アパートの大家で、旦那は中学校の教頭。51歳。
小柄で、謎のパーマ頭が特徴。
多趣味で、家を空けていることが多い。

【林かずゑ】
専業主婦で、旦那は冒険家。47歳。
193p、98kgの女丈夫。
信州の農家の出身で、野良仕事が趣味。

【林信恵】
駅前定食『マルゲン食堂』の女主人。旦那は調理専門。42歳。
気さくで明るい。年齢よりも若々しい。
子供がみんな娘ばかりなので佐藤くんのことを息子のようにかわいがっている。


第3.1話 投稿者:うじてる 投稿日:2013/12/16(Mon) 19:10 No.128  
第3.1話

【3月10日の巻 その@】

「な、何なのよこれ……」
ぶっ壊れた部屋を前にあ然とする凛。
一応二階まで上がってきたのだが、明らかに天井から床を通り一階まで大穴が開いている。
彼女はキッと田口を睨みつける。
「ちょっと! これどーゆー事なんですか!?」
「さ、さあ……。おれも今帰ってきたばかりだし……」
自分より小さい女性の威圧にたじろぐ。
「とりあえず他の人に聞いてみようよ、うん」
このアパートで何か事件が起きたときは大抵、あの男が関係している。
一階のあの男の部屋へ、凛を連れて向かった。
「佐藤く〜ん、入るぜー」
軽くノックをすると、返事も待たずに部屋に上がりこむ。
部屋には佐藤くんのほかに、らもとエーコに加藤もいた。
田口はみなに凛を紹介し、これまでの状況を聞いた。

「ほほう。ではこの幼女が原因だと」
腕組みした田口が加藤のほうを向く。
「そうのなのでした! えっへん」
彼女はまたもや無い胸を張って答える。
そこに、部屋が一杯で台所に追い出されていたらもが声を上げる。
「OK OK、とりあえずこのクソ狭い事務所はヤメて大家んとこで話そうZE!」
「事務所って、なんの?」
田口が佐藤君に尋ねる。
が、すかさずエーコが割り込んで答える。
「今日からこの部屋は探偵事務所なんですよ、ワトソン君!」
「そのとーりだZE! さあ、いざ行かん、事件は今ここで起きているZO!!」
二人は息のあった動きでポーズを決める。
だがやはり狭いので、棚やらテーブルにぶつかり、物がバラバラ落ちる。
「ええーい、くそったれー! お前らホント、出て行けーッい!!」
佐藤君の一声で、ひとまずみんな出ることにした。

「さて、これから大家んところに行くわけだが……。みんなで行ってもな」
「ぐっさん、頼みますよ。俺はこいつらの面倒を見てますから」
朝からの騒ぎで既に疲れた佐藤くんである。
「ぶーぶー。なんだよなんだよ、保護者ヅラしてー!」
「そーだ、そーだ! ヅラは頭だけで十分だZE!」
「おなかがすいたよ佐藤〜。早くご飯にしようよ〜!」
約三名が勝手なことを口にする。
「くっ……こいつら……!」
佐藤君のメンタルはどんどん削れて行く。
仕方ない、といった風に田口が凛を連れて母屋に向かう。
アパートと母屋はくっ付いていて、すぐ隣に建っている。
ガラガラと玄関の引戸を開けて中を伺う。
「おはよーございまーす。田口ですけどー……」
その声を聞き、奥からのっしのっしとでかいオバサンが現れた。

つづく


第4話、4月6日 投稿者:ぴヴぃ 投稿日:2013/12/10(Tue) 21:57 No.127  
大家さんが現れた。
大家さんは板切れを取り出した。
大家さんの攻撃!
ずばっ!!
板切れは204号室の屋根と床に張り付く!
アパートは2000ポイント回復した。
204号室は全快した。

大家さんの攻撃!
大家さんは104号室を攻撃した!
ミスッ!
104号室は破壊されたままだった。

大家さんの攻撃!
大家さんはラモを攻撃した!
「おんどれがなおさんかーい!」
ラモに5万ポイントのダメージ。
ラモは大家さんの奴隷になった。

ラモの攻撃!
104号室に板が張り付いた!
104号室は10ポイント回復した。
窓がなくなり、風雨が防げるようになった。

「ラモ〜、あんた不器用だねぇ」
104号室の入口の前に、大家さんが仁王立ちする。
身長は150cm程度、かっぷくはいいがそれ以上に
身にまとうオーラによってはるかに大きく見える。
190あるラモが拳の先くらいにしか見えない。

「お、おまえのようなババァがいるかぁ!!」
ラモが必死に立ち上がり抵抗する。
しかしその威風。まさにオーラが風となってラモを吹き飛ばす。

「生意気な口を聞く前に、大工見習いにでもなって
このアパートを直してみるんだな!!」
ババァが投げつけたハンマーがラモの目前の床に突き刺さる。
その迫力に、ラモはその場に座り込み、糞尿を漏らした。
「それまでこの看板は預かっておくよ!!」
ババァはそう言うと扉に釘付けされた探偵事務所の看板をもぎ取り
カッカッカと笑いながら去っていった。


夕方、大学から帰ってきたエーコちゃん。
「おー、屋根直ったんだね〜」
夕日に染まる桜木荘。
日常に戻ったようだが、
どこからか金槌を叩く音と、咽び泣く男の声が
かすかに響いていた。





付記 投稿者:うじてる 投稿日:2013/12/08(Sun) 02:59 No.126  
田口の通称は「ぐっさん」です。


第3話 投稿者:うじてる 投稿日:2013/12/08(Sun) 02:53 No.125  
【桜木荘と佐藤くんと幻想郷】

昼前の本町通り商店街は人もまばらでのんびりとしている。
夜勤を終えた田口ヒロマサはだらだらと自転車で通り抜ける。
短い仮眠のため頭が少しぼうっとするが、まだ冷たい風が目を覚まさせる。
この街は地元ゆえ、商店街のほとんどは顔見知りである。
走りながら挨拶を交わし、自宅へと向かう。
そんな彼を待ってましたと、不動産屋の山本の親父が呼び止めた。
「田口く〜ん、今帰りかい?」
言葉と共に店の中へと手招きする。
「おはよーっす」
右手を上げて答えると、店の前に自転車を停める。

【田口ヒロマサ】
32歳、独身。
地元の高校を卒業後、自宅警備をしていたが、本物の警備員に。
低身長、低給料、低学歴、デブ、ブサ、オタ。
桜木荘では十年選手で、古株の一人。
桜川市の歴史に無駄に詳しく、土地の古老も裸足で逃げ出すほど。
身長163p 体重80s

店に入ると、古びた応接セットのソファに少女が座っていた。
小学校高学年か、或いは中学生か、そのくらいの年に見える。
ややくせっ毛のショートボブで真ん中分けのデコ娘。
ツリ目にメガネで貧乳、といった外見の中々の美少女である。
(ペロッ! これはおれの好みに直球ストライク!?)
などと田口は思うのだが、ともかく、あまり不動産屋には関係なさそうな少女だ。
「いやあね、彼女は今日から桜木荘に住むことになってるんだけどね、
まだこの辺の地理に詳しくないから、アパートまで案内してあげてよ」
山本の親父がそういうと、少女は立ち上がりにこりともせず頭を下げる。
「はあ、まあいいですけど……。この子の親御さんはどうしたんですか?」
そういうと、休に彼女の表情が硬くなる。
「私が一人で住みます。何か問題でも?」
「エ、さすがに子供が一人じゃ……ぐはっ!」
田口が言い終わらないうちに、その腹に拳が入る。
「私は大人です!! 失礼な人ですね……」
山本の親父の顔を伺うと、納得行かない顔で頷く。
「佐藤君とこのエーコちゃんと同じ大学に編入してきたみたいだね……」
「そ、そうなの!?」
田口はまじまじと全身を眺める。
「ちょっと! 何見てるんですか! いやらしい……!」
どう見てもいいとこ、中学生である。
(これは……合法ロリというやつだなっ!)
「ぶはっ!!」
そう思うと同時にみぞおちに肘が入ってきた。
「な、何も言ってないのに……」
鋭い一撃に涙目でつぶやく。
「何かまたいやらしいことを考えてるようでしたので……!」
彼女は怒り顔でそっぽを向く。
「そんなことより早く案内してくれませんか?
一刻も早くこの童貞臭い人とは別れたいんですが!?」
ギロリと田口を睨んで辛らつな言葉をぶつける。
「どど、童貞ちゃうわっ! ほ、ほんまやで!!」
動揺のあまりエセ関西弁が飛び出す。
そのうろたえっぷりが雄弁に事実を物語っているようだった。
「あーはいはい。彼女いない暦=年齢さんのたわごとはもう結構です。
それより早く行きましょう、時間の無駄ですから」
そういうとツカツカと店を出ようとする。
「うぬぬ。これはまさにツンデレフラグ……って」
言いかけたところで彼女が振り向く、憤怒の表情で。

「何も」

ビシッ!

「デレて」

グワシ!

「いないでしょーがぁッ!!!!」

ドガァッ!!

「ぐわらばほげらぁっっ!!!」

振り向きざまの三段蹴りが腹、胸、顔面に炸裂した。
うめき声を上げて田口の重い体が吹っ飛ぶ。
彼女はそれを見届けることなく、店を出て行った。
「だ、大丈夫かい?」
山本の親父がさすがに心配そうに声をかける。
田口はそれに答えてゆっくりと片膝をついて起き上がる。
そして、店の外で待つ彼女を見てぼそっとつぶやく。
「とりあえず、パンツは白でした……」
ぐっ、と拳を握り締める。
今度は、彼女には聞こえていないようだった。

そんな騒動もあったが、二人は桜木荘へ向かっていた。
とは言え、空気は最高に気まずく、ずっと無言であった。
(ほっほー……重いわー、この雰囲気重いわー。
クラス一の秀才且つイケメンの井上くんが女子更衣室のロッカーに忍び込んで
盗撮していたのがバレたんだけど、いつの間にやらブサメンの勝俣くんが
真犯人みたいな流れになったホームルームという名の魔女裁判以来だわー)
田口はチラリと横目で彼女を見るが、なにやら険しい顔で考え事をしているようである。
やはり、彼女もこの気まずい道中に耐えかねていた。
(う〜ん。さっきはやっぱりちょっとやりすぎちゃったよね……。
普通、あれだけ言われた上に蹴られたりしたら怒って帰っちゃうよね……。
でもちゃんと案内してくれてるし……あ、案外いい人なのかも……。
せ、せめて私からちゃんと話しかけたほうがいいよね……うん)

「え、えーと」「あ、あの」

二人同時に声が出た。
「そ、そちらからどうぞ!?」
すかさず彼女は田口に譲る。
「アー、じゃあ……。君……名前は?」
恐る恐る尋ねた。
「こーゆー時は自分から名のるものなんじゃないですか!?
ホント、そんなだからモテないんですよ?」
彼女は例によってついつい、憎まれ口を叩く。
「きましたわー。痛烈なお言葉きましたわー。
ま、ともかく……おれは田口ヒロマサ。205号室に住んでる」
女子と二人きりになるのは遠い昔以来なので、とりあえず目を見ては話せない。
「私は……水沢凛です。不本意ですけど隣の204号室です」
「そ、そっか。お隣さんなんだー、ハハハ……」
そして、これ以上は何を話せばいいのか全く想像の埒外。
田口の女子に対するコミュ力の経験値は限りなくゼロである。
結局押し黙ったまま、アパートまで来てしまった。
だが、そのアパートは悲惨な事になっていたのだ。

割れたガラスと木片などの残骸、104号室のユウジローの部屋と共に、
その上の204号室もぽっかりと天井に穴が空いているのだ。
隣の佐藤くんの部屋の外にはクドー探偵事務所と墨書された板切れが立てかけられている。
また二人が何かやらかしたのだろうと息を吐く。
「えーと……うん。あの天井に穴が開いてる部屋が204号室だね」

つづけ

【水沢凛】
その正体はベールカ星から来た異星人。
大学で古代宇宙文明学を専攻し、遺跡の宝庫である地球に実習に来た。
地球にいる間はその星の文明レベルで生活しなくてはならないため、
知識以外はほぼ地球人並の能力で、高度な機械は使えない。
本名はリーリン・ベールカ・ミザーサーワウで、
リーリンが名前、ベールカは出身星、ミザーサーワウが家名である。
ちなみに、天の川銀河文明系では家名を略して名前と出身星だけ名のるのが一般的。
年齢は地球換算で20歳ぐらい。
身長144p


一言で言うとなんだこれ第... 投稿者:べべべーが 投稿日:2013/12/07(Sat) 13:14 No.124  
「結局リレーじゃねえかYO!」
一喝してラモは腰に手をやり、ふんぞり返った。
「…何の話だ」
あきれた表情で佐藤くんは言った。
「まあそれはE!」
「いいのか…」
「そんなことよりオレっちの部屋が吹っ飛んだらしいぞこの野郎!」
「俺のせいじゃない」
「だがそれもまあE!」
「いいのかよ…」
「問題はここDA!」
ずばーんという効果音をほとばしらせ、ラモは佐藤くんの部屋のだいたい真ん中あたりらへんを指差した。
「オレっちの探偵事務所にするには、ここはちぃとばかり小さいようだZE!」
部屋のだいたい真ん中らへんの畳を革靴でガンガン踏みつけながらラモが叫ぶ。
「探偵って…」
いやーな顔をして佐藤くんが呟いた。
「またおまえ妙なことを…」
「よくぞ聞いてくれたZE!」
「聞いてねえよ!」
「オレっち昨日でバイト首になって考えた!そうだ探偵やろっとって!」
「勝手にやれよ!」
「黙れ助手1号」
既にもっしゃもっしゃのパーマ頭とテンガロンハット姿になっていたラモが言う。
「誰がじょ」
「はーい!じゃじゃわたしが助手2号だね!」
さすがにイラっとした佐藤くんが叫ぼうとした時、横から妹のエーコちゃんが言った。なんだかうれしそうである。
「無論だZE」
ぶ厚いサングラスをクイと指で上げ、ラモがニヤリとする。
ちなみに彼は身長190センチ前後、体重50キロくらいという夜道で出会うと比較的腰を抜かすような背格好をしている。
黒尽くめのスーツ姿も、さながら使いどこがなくて放置されっぱなしでカリカリになったゴボウのようである。
「あのな、おまえら勝手に…」
「ただのおっさんには興味ありません!」
またしても佐藤くんが何かしらツッコミらしきものを言おうとした途端、横から邪魔が入った。
「無論、変なおじさんにも興味はありません!」
IQ53万の加藤がどっから声出してるんだろうと思えるような素っ頓狂な調子で叫んだ。
「ただし探偵には興味あります!放課後私の部屋に来なさい!」
「…よし、わかった」
ゆらりと佐藤くんが立ち上がる。
「おまえら全員…」
胸いっぱいに息を吸い込む。
「俺の部屋から出てけぇえーー!!!」

こうして桜木荘探偵事務所はスタートしたのだった。

「はじまるのかよっ!!」
そんな佐藤くんの叫びは無視される運命なのである。


桜木荘…第1話 投稿者:ぴヴぃ 投稿日:2013/12/04(Wed) 15:46 No.123  
目の前には不思議な光景が広がっていた。
いや、広がるほど広くはない。4畳半の散らかり放題の部屋だ。
砕け散った窓の穴から冷たい風が吹き込んでくる。3月終わり、まだ春の息吹はやってきていない。
しかし、そんなことはどうでも良かった。
部屋の中央にある丸い物体。そして、その前に立ちはだかる少女。
「そっすねー」
何故か右腕を突き上げている。
「わたしのIQは530000です。
ですが、もちろんフルIQであなた方と戦おうという気はありませんからご心配なく」
ババーンとばかりに胸を張る。
胸、ないんですけどね。

「まずはこのアパートから占領させてもらいましょう」
そういうと、おしりのポケットをまさぐった。
ちゃっちゃらりーん
『大工ロボット〜』
その小さな右手にはコピーロボット大の人形が握られている。
「説明しよう、このロボットは異次元空間に居住空間を創りだすという
ハイセンスかつハイクオリティなロボットなのだ!
え、そのわりに名前がシンプルだって?
のんのん、それはわたしが宇宙語を地球語に簡潔かつ簡素、
そして庶民にわかりやすく訳してあげたからなのです!
さぁ、大工ロボットちゃん、私の秘密基地を創りだしておくれ
すいっちおーん」

……3分後……

「かーんせーい!
ひゃっほー、さすがわたし!
では、この4と1/2号室はわたしの秘密基地にするので
勝手に入ってこないように!
ばいびー!!」

バタン。

扉の閉まる音がした。が、そこには何もなかった。
ラモの部屋と佐藤くんの部屋を隔てるボロい壁だけがあった。
この数分の間、佐藤くんもラモも身動きどころか、呼吸すらすることが出来なかった。
一瞬の静寂……
「ぶはーーーーーーーーぜぇぜぇ」
二人同時に呼吸を再開する。
「何だったんだ一体……」
「夢だったんらも?」
砕け散った窓の穴から冷たい風が吹き込んでくる。
目の前には丸い物体。
もともと汚いが、さらに悲惨な状況になった部屋。
二人の前には、いまだ受け入れがたい現実があった。
「佐藤くん、しばらく部屋に泊めてくれないらも?」
「いやだ」

こうして、新たな住居人の増えた桜木荘の生活が始まるのであった。




桜木荘と佐藤くんと幻想郷... 投稿者:うじてる 投稿日:2013/12/03(Tue) 15:00 No.122  
プロローグ(第0話)

三月初旬。
桜川市大正町、八幡坂の手前にあるアパート。
その住人、佐藤コーイチは朝食と掃除を済ませるとベランダに腰掛け、庭を眺める。
風はまだ冷たいが、日差しは暖かい。
この『桜木荘』の名物である桜の木のつぼみも目立ってきた。
引っ越してきてから三回目の春。
都会の大学を中退して地元に帰ってきたが、
両親は実家と土地を売り払い、海外に移住してしまった。
彼と妹は仕方なく、このアパートに移ってきたのだった。
ここで佐藤兄妹の紹介をしておこう。

【佐藤コーイチ】
24歳、独身。
中肉中背の至って凡夫。
都会の二流大学を中退し地元へ。
本町の大衆食堂でアルバイトをしている。
人が好いうえ押しが弱いので、損な役回り。

【佐藤エーコ】
19歳、独身。
中肉中背の至って凡婦。
全寮制の女子中高で過ごし、地元の大学へ進学。
漫画を描くのが趣味だが、その内容は男×男か女×女ばかりである。
活発でお節介焼きという、妹属性も持つ。

この春、平々凡々と過ごしてきた生活が変わろうとしていた。
それはもちろん佐藤くんが一念発起したわけではない。
外部の要因、それも世界的な。
それは日本の地方都市、桜川市のこのアパートでも起こった。

どんがらがっしゃーーーん!!!!

大きな揺れとともに隣の部屋で轟音がした。
庭を見ると、隣の部屋のガラスが飛び散り、空いた穴からは煙が漂う。
ただ事ではないのだが、音のしたほうに行きかけてやめた。
向こうからやってくることを思い出したからである。
案の定、隣の部屋から男が飛び出してくる。
「おおーい! 大変らもコーイチ!! ジローの部屋に隕石らもっ!!!」
ラモラモうるさいこの男は松田ユウジローらも。
腐れ縁の同級生である。
佐藤くんはベランダに出してある“つっかけ”を履いて、ユウジローの部屋をのぞく。
空き部屋の二階の部屋を突き抜け、地面には大きな穴が開いている。
部屋には埃と煙が漂い、摩擦で焦げた畳のにおいがする。
黒焦げのそれは予想された隕石ではなさそうだった。
真ん丸ででこぼこしたようなところはない。
直径1メートルほどで人工物……少なくとも自然物には見えなかった。
「わかったらも! コーイチ、それに触ってみるらも」
「いやいや、いったい何がわかったのか……」
そんなやり取りをしていると、それがカタカタと揺れだした。
「う、産まれるらも―! 怪獣らも―!!」
産まれるかどうかはともかく、球の一部が四角く光り、開こうとしていた。
揺れが収まると、その四角い光は球の表面を滑るように動いて開いた。
そして中には、5〜6歳ぐらいの女の子の姿があった。
女の子は二人の姿を認めると、ゆっくりと右手を挙げた。

「ちょっちゅねー!!」

未知との遭遇であった。

つづけ。


○おまけ

【桜川紀行@】

桜川市の歴史は古く、律令時代から郡衙が置かれていました。
平安時代末期には平氏出身とされる咲良氏が現れ、
館を構えました。(旧市庁舎跡の咲良公園)
南北朝時代になると咲良氏の分家である吉岡平次郎光兼が咲良山に城を築き、
主家となります。(現在の桜川城址)
戦国時代には次々に主を変えながら(咲良)吉岡氏は生き延びますが、
豊臣政権の刀狩りの際に帰農して、後にこの地域の大名主となります。
江戸時代には宿場町として栄え、この時の町割りが現在にも続いています。
市の中心地は街道沿いの本町と元本町で、桜川城のふもと城下町は職人町となりました。
明治から大正時代には生糸の集積地となり手狭になると、
外側に大正町が生まれました。
昭和期に鉄道が開通すると新町が生まれ、これで現在の市街地が完成しました。


うごかすだけ〜 投稿者:ぴヴぃ 投稿日:2013/10/06(Sun) 15:46 No.121  
でした。

| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |

NO: PASS:


無料掲示板レンタル「ADVEN-BBS」/右玉/将棋/ガジェット
original:KENT